冬のランカスター ペンシルベニア ダッチカントリーへ
真冬のある日、オフシーズンということを承知でペンシルベニア州ランカスターにあるダッチカントリー方面に出掛けてみました。
年末から年始にかけての滞在も残すところあと2日という日の朝、目覚めて窓の外を見ると夜のうちに降った雪で一面真っ白という綺麗な景色でした。
あれ~~、まさかの雪、一瞬寝ぼけているのかと思って見直してみてもやはり白い、冬の東海岸での滞在なのでそれほど驚くことではないと分かってはいるものの、もしかして貴重な残りの時間はホテルに籠って過ごすことになるのかな?
それほどの積雪ではないし、アメリカの道路は除雪が行き届いているのだけれど、このまま降り続けると車での動きは慎重にならざるを得ないということになります。
慌ててテレビのスイッチを入れて天気予報をチェックすると時間の経過とともにお天気は良くなる方向、ホテルへの車の出入りも普通にあるようで少しホッとしました。
ちょっと様子を見ているとホテルの敷地内も早々にメンテナンスは行われているようだし、降っている様子でもない、天気予報、当たるといいな!
せっせとマイカーの除雪を行っている男性の姿もあり、この程度ならたぶんお昼前にはまるで普通に動けるのではないかと予想し、まずはゆっくり朝ごはんを食べようかということになりました。
意外なようですが、アメリカの道路はスタッドレスタイヤもタイヤチェーンも許可されていない、雪の多い地方でもノーマルタイヤで冬を過ごすという、冬タイヤが標準の感覚にある日本とは大きく異なる冬の道路事情になります。
それだけにいわゆる公道の除雪対策は本当に素晴らしい、雪がちらつき始めたなと思うとどこからともなくこんな風に凄い馬力のありそうな除雪車が現れ、あっちでもこっちでも除雪&融雪剤を撒くという作業を同時に行います。
眠っていた生き物たちが、春になるとあちこちで一斉に動き出すがごとく、雪が降ると除雪車がゾロゾロ出動する、例えるならそんな感じです。
もし外出先で突然の雪に見舞われても、余程の事でなければ、コーヒーとドーナツでちょっとお茶でもしている間に、大きな道路の除雪は終わっているというくらいの感覚です。
簡単に身支度を済ませて朝食の用意されているコーナーへ、スタッフルーム入口のドアノブに掛けられた誰かのフード付のジャケットがこの日のお天気を物語っているかのようです。
中庭の椅子やテーブル・オフシーズンのバーベキューグリルの上も雪だらけ、眺めていると窓越しに冷気が伝わってきます。
少し外も明るくなってきているようだし雪はそれほど心配ないかもしれない、徐々に気も楽になってきて、いつものように朝食を食べながら、「ランカスターに行こうか、観光がオフシーズンの真冬だから却ってそれらしいかもしれない」という案が出てきました。
そうかもしれない、オンシーズンには観光ツアーもいろいろあるけど、本来は静かでひっそりとした街のはず、なかなかのアイデアかもしれません。
宿泊していたホテルからランカスターまでは50マイル弱(約75キロ)、晴天で順調なドライブならば車で1時間少々というところでしょうか。
ペンシルベニア州のランカスターにはアーミッシュの人々が多く暮らしているペンジルバニアダッチカントリーとも呼ばれている地域があります。
アーミッシュとは18世紀にヨーロッパから移住したドイツ系移民の子孫で、聖書に基づいて現代文明とは距離を置く独自のライフスタイルを持ち、現在でも電気は使わずガスを使い、車を使わずにバギーと呼ばれている馬車を使い、基本的に自給自足で自然に近い生活を送る人たちです。
実際にはアーミッシュの中にもいろいろな宗派があるようで、全員が車に乗らないとか電気は一切御法度というわけではないようで、文明の利器が取り入れられている光景も見られます。
さあ出掛けてみようかとレンタカーのあるパーキングスペースまで歩いてきたらもうこんな感じ、これなら大丈夫そう、様子を見ながらの出発として、あとは無理をしなければたぶんノープロブレムだという判断、心はランカスターに向かいます。
車内に用意されていたブラシを使ってレンタカーの窓ガラスの除雪を開始、車の中もこの雪でしっかり冷え冷えになっていました。
こんな感じの景色の中をランカスターへ向けてのんびりと車を走らせていると、もうすぐ帰国するなんてウソのようなのどかな時間が流れていきます。
車が進むにつれてだんだんとのどかさが増していき、青空もちらほらのぞくようになってきました。良かった、雪が多かったりお天気が悪くなるようなら引き返すことも一応は覚悟してスタートしていたのです。神様有難う!
車窓からの景色がなんとなくそれらしい雰囲気になってきたような気もするけど、看板らしきものも見当たらないしどうなのかな?
雪の中にアイスクリームの看板が見える、建物にも素朴さを感じられるようになってきたし、もうそろそろエリア内かな。
それにしてもただでさえ自然豊かなこの地域、冬の冷たい空気は更に澄んでいるように感じる、この景色に癒されない人などいないのではないかと思うほどです。
また雪景色の中をしばらく走ってここだ、遠くの畑の中にポツンと作業に使うと思われるリヤカーのような姿の物体を発見、もう完全にダッチカントリーに入っていると直感した瞬間です。
(大きな変化や目印になるような建物が殆ど無い自然の中、雪までかぶっているのでここがどこなのかを車を走らせながら把握するのはなかなか難しかったです。)
すぐその後に家から出てきたばかりと思われる女性の姿に遭遇、派手さの無い独特のスタイルなので男女共に分かりやすいのもアーミッシュの人々の特徴です。
なだらかなアップダウンを繰り返しながら道が向こうに伸びていく感じ、確か以前読んだ本には緩やかな曲線と表現されていたこの丘陵地こそが水はけの良い肥沃な大地なのです。
とても牧歌的で自分たちがまるで絵画の中にいるような錯覚に陥ってしまうような雰囲気、ここが本で見ていたステラおばさんの故郷だと思うと感慨深いものがあります。
日本の自然の雪景色はモノクロというか何となく水墨画調に見えることが多いイメージがあるけど、ここはパステル調というか適度にカラフルな雪景色、白い雪にカバーされてしっかり冬眠した大地は、春になるとまた美味しい野菜やフルーツを提供してくれることでしょう。
冬の冷たい空気の中でもどこかのどかでのびやかに見えた牛さんたち、この広い豊かな大地をのんびりと歩きながら新鮮な牧草を好きなだけ食べている牛さんたちから出来るミルクやチーズやヨーグルトが美味しくないわけがありません。
ダッチカントリー ファーマーズマーケットで食べたあの濃厚でクリーミーで美味しいヨーグルト(Pequea Valley Yogurt)の味を牛さんたちがフラッシュバックさせてくれます。
アーミッシュビレッジのサインも見えてきました。オンシーズンなら観光客向けのバギーライドやアーミッシュハウスの見学ツアーなどで賑わっている街もひっそりと静まり返っています。
日本なら差し詰め冬の軽井沢に例えられるでしょうか、夏の賑わいは嘘のように静かだけど、冬のしっとりとした軽井沢もいい、その独特の冬景色に魅せられて通う人も結構多いと聞きます。
アーミッシュカントリーと呼ばれる地域はアーミッシュの人たちだけの居住区というわけではなく、一般のアメリカの人たちの暮らしもそこにあります。
ランカスターにもターゲットなどの大手量販店やチェーンのレストランなど、普通のショッピングモールにあるようなお店が普通にあります。
ターゲットのお隣にアーミッシュファーム&ハウスと書かれた建物がありました。中華街はその地域の中に囲まれた別世界を作ってしまうという感じがするけれど、ここはごく自然に異文化の人々が共存しています。
こんなサインも出ていました。アーミッシュファームやハウスの見学とターゲット巡りが至近距離で実現するという魅力あるスポットのようです。
そして他店のターゲットでは見られない光景がこれ、バギーで来店するアーミッシュの人たちの為に専用の駐車スペースならぬ駐馬車スペースがきちんと設けられているのです。
主のお買い物中、馬はこんな風に静かに待っていてくれます。
もちろんターゲットのパーキングだけではなく、こんな風に車の隣にバギーがあるというのがダッチカントリーではありふれた普通の光景になっています。
バーガーキングの先にアウトレットモールのサインも見えています。ラッキー、インフォメーションセンターに行ってみよう!
アウトレットのインフォメーションセンターというのがなかなか侮れないことがある、周辺のレジャー情報やレストラン情報などが記載されたパンフレットが置いてあることが多く、中には割引クーポンも付いていたりします。
Rockvale Outlets、トップにバギーがデザインされたランカスターのアウトレットならではのサイン、全部で100近いショップやレストランが入っていました。
典型的なローカルタイプのアウトレットというイメージ、ホームページに詳しいショップリストが掲載されています。
予感的中、インフォメーションセンターに辿り着く前にアーミッシュ カントリーニュースという薄い冊子をゲット、しかも秋バージョンと冬バージョンが同時に入手できてしまいました。
1989年から発行されているというAmish Country News、由緒あるビジターズガイドは薄い冊子と侮るなかれ、キルト展などカントリー内だけではなく周辺地域で行われるちょっとしたイベントなども記載されているほど情報量は豊富、どこに行ってみようか何を食べてみようか迷うほど、レストランなどお店によっては広告にクーポンがあります。
その昔、ステラおばさんのアーミッシュカントリーのお菓子という1冊の本がきっかけで知ったアーミッシュカントリーという世界、情報も限られ断片的なことだけ知っていた遠い世界との距離が一気に近くなる気がします。
洗濯物がロープで表に吊るされているのもダッチカントリーならではの風景、電気を使用しない彼らの生活には、アメリカの一般家庭に標準装備されている乾燥機を使うという習慣はありません。
日本では家の外に洗濯物が干されているのは珍しくありませんが、アメリカで洗濯物が外に出ているというのはとても珍しいことです。
それにしても日本ならこんなお天気の日は部屋干しデーになりそう、きっと乾かない、でも大家族が普通だというアーミッシュの人たち、洗濯も追いつかないくらい大変な労働なのだと思います。
自動車やトラック・バスと同じ道路をバギーが同じように普通に走っているのもアーミッシュの人たちと一般のアメリカの人たちが共存しているゆえの光景です。
前を走るバギー、この馬は人も物も日常的に運んでいるのだからきっと逞しいに違いありません。
日本でも昔は「子供は風の子」と言われたようですが、車の中から偶然見かけたアーミッシュの子供たちはまさにその表現がピッタリな雰囲気、冷たい空気の中を元気にじゃれ合いながらどこかに向かっていました。
彼らには成人になるとアーミッシュとしてこれからも生きていくか、外の世界で普通のアメリカ人として生きていくかの選択肢があり、大きな人生の決断をしなければならないそうです。
小さな自転車とキックボードが一体化したように見える片足でこぐスクーター姿の男の子も見かけました。文明の利器に頼らない生活の中ではおそらく貴重な移動手段なのだと思われます。
教育はコミュニティ内にあるワンルームスクールと呼ばれる1つの教室で1年生から8年生までが一緒に受けているそうです。
窓ぎわのトットちゃん
に出てくる電車の学校ことトモエ学園と似ているのかな?アーミッシュの学校の様子を知った時に真っ先に浮かんだのは黒柳徹子さんの著書、独自性のある教育のスタイルは国境を越えているのかもしれません。
徹底した平和&無抵抗主義のアーミッシュは兵役義務が免除されているのだとか、ここにはのどかな景色と助け合って暮らす人々の姿と本当の平和があるようです。
こんな風に観光客の多い街らしい看板を出しているレストランやモーテルなどもあるし、真っ白な紙にマジックでBREADなど商品名が手書きされただけの看板が出ていて、それがお店なのか本当に今日オープンしているのかどうか迷うようなローカルなところもある、そんな光景をいくつか目にしました。
時々見かけるバギーはその度に感動、ここにもバギー、と思ったら以前真っ暗な中を通りがかって見かけたことのあるハーシーファームの看板の前でした。
ハーシーってあのチョコレートのハーシーとはロゴが違ったけど関係があるのかな?と言いながら通り過ぎたのがこれだったのです。
現在のザ ハーシー カンパニーの前身はランカスター キャラメルという会社だったというし、創始者のミルトン スネーベリー ハーシーという人はペンシルベニア州の出身、このファームからハーシーにミルクでも提供されているのかな?などと話していたのです。
そのあたりのことはいまだ不明のまま、ただ現実問題としてこのハーシーファームがハーシーチョコレートとの関係性をアピールしている様子は無くやはり別物のような気がしています。
その代わりに得た情報がウーピーパイ好きには聖地のような場所だということ、嬉しいことにオープンの文字が書かれたフラッグまで出ている、まさかこのオフシーズンにここがオープンしているなんて!
もしかしてウーピーパイが食べられるかもしれない、そう期待せずにはいられませんでした。
もう少し周囲をひとまわりしてからハーシーファームに戻ってこようか、そう言いながらひとまずそのまま車を走らせました。
ハーシーファームでの様子はまた別の機会に書いてみたいと思います。
【関連ページ】 ダッチカントリー ファーマーズマーケットのウーピーパイ
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